ミルボン SH ワックス
かれこれ10年ぐらい売れ続けているワックス。
最近はメディアでの広告写真は見かけませんが
根強いファンが多く、売れ続けているようです
(メーカー談)。
当サロンで、開発プロデュースしたことは、
美容業界でもマニアにしか知られていない事実。
開発コンセプトは朝セットしたら一日べたつかず
スタイルがキープされるワックス。
スタイルキープというと、とかくハードスプレーですね。
しかし、髪の動きを付ける場合根元の立ち上がりを
思い通りにするのは、むずかしいもの。
お客様のスタイリングしているとき、私の指先から
スプレーが出たらいいのに・・・と、思ったのが、出発点。
当時、販売されていたワックスは、美容の作品撮影に適したタイプ。
油分がやや多いため、セット力と艶、を求めたのでしょう。
付けて、1時間ぐらいはいい感じ、しかし、そのあとは・・・のワックスがほとんどでした。
その傾向は、現在の新製品のワックス(ミルボン・ナカノ・ルベル等)にも共通した特徴で、おそらく、開発アドバイザー(美容師)が、自分の髪につけて何時間、スタイルがキープするのかを、検証していないか、もしくは、髪がべたべたする感触に麻痺しているからだと思います。
SHというワックスは上手に使わないと撮影向きのタイプではありません。
カットする美容師には、セニング、質感カット、毛量調整を適切に行える技術レベルは、必要です。
高い技術水準の毛量調節が施されたヘアスタイルに用いたとき、お客様が自分で簡単にスタイリングでき、しかも、一日半は、スタイルキープできます。
一日以上スタイルがべたべたしなくて保てます。
奇跡のワックスと言っても、過言ではないです。
一日半というのは、スタイリングしたままのヘアスタイルで、寝てしまっても、翌朝、手に水を付けて湿らせることで、髪が直せます。
当時、飲んで帰ってきて、そのまま寝てしまい、翌朝、寝ぐせを軽く湿らせて直すことが、できました。
ここで、重要なことは、油分が多いワックスはシリコンや保湿因子のために、時間を追ってしっとり感が増すため、翌朝どころか、飲んでいる間にべたつきや、しっとり感が増していき、油ギッシュな髪になってしまうということです。
衛生的という観点からすれば、当然、寝る前に風呂に入り、シャンプーして髪を清潔にすることが望ましいです。翌朝まで、スタイルキープの必要はないでしょう。
私が言いたいのは、艶などのコンディショニングはヘアスタイリングの前に行い、キープ力のためのワックス=ハードスプレーの役割には重さは要らないということです。
ミルボン社のワックス関して言うと、SHワックス以降の製品でパブリック製品と美容専売品を含んだすべてで、人気ナンバーワンを取ったものはありません。
SH はナンバーワンだったのに。残念なことです。
パブリックのワックスは、定期的にチェックしますが、いまだに、プロの私が唸るような内容の製品にはお目にかかったことがありません。CMのタレントが人気者とか、香りが優先されているだけとか。
消費者のニーズを叶えるという点は、すばらしいけれど・・・
私が身内に海外に一つだけワックスを持っていこうと思うが、何がいいかと、究極な質問を受けたとしたら、迷わずSH ワックスを薦めます。そして、必ず使い方、付ける量を教えます。
手前味噌と思うなら、だまされたと思って、自分のヘアスタイリングで実験してみて下さい。
特に、美容師さんは試すべきです。
うまくセットできなければ適正な毛量になっていないということです。髪質判断を含め、カットを見直して下さい。
顧客が家でスタイリングできてこそ、プロの美容師です。
撮影重視のワックスは、アフターファイブまで形がキープしないです。だから、ワックスとハードスプレーをてんこ盛りにしなければいけないと、必要の無い買い物を、大切なお客様にさせるのです。
無駄遣いは、誰でもしたくありません。
およそ、製品完成度が低いものをメーカーが発売し、美容師も、軽い気持ちで売りつける。こんな図式だから、美容師の薦めるものをお客様が信用しなくなってしまうのです。
私を含め、美容業界は、反省すべきではないでしょうか。